朝日大学歯学部大阪府同窓会会員の皆様におかれましては、日々ご健勝にお過ごしのことと心よりお慶び申し上げます。平素は同窓会各事業ならびに会務運営に対し、多大なるご理解、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
2024年度のデータでは日本歯科医師会の会員数は63,637名、5年前と比べて1,200名ほど減少しています。平均年齢は62歳3ヶ月で5年前より1歳11ヶ月上昇しています。年齢別でみると、最も多いのが60歳代、次に50代で、その次が70代となっています。50代以上の歯科医師で半数以上を占めています。
現在の人口10万人当たりの歯科医師数はおよそ80名ほどですが、昭和40年代はわずか30名と明らかに歯科医師が不足している状況でした。将来的に人口10万人当たりの歯科医師数を50名にすることを目標に全国各地で歯科大学や歯学部が新設され、歯科医師は急増し、歯科医師が飽和する状況を生み出しました。昭和40年代・50年代の時期に歯科医師になった世代が60代以降の歯科医師であり、現状でも60代の歯科医師が多いのは当時の施策の影響が大きいと言えます。
昭和の終わりになると歯科医師が過剰になり、需給問題の対応を国に求めました。そして、当時の文部省は歯学部や歯科大学の入学定員の削減目標を示すなど歯科医師の数を減らす対策をとりました。さらに、国家試験合格者数を2,000人程度に抑制したことで、今度は歯科医師不足が叫ばれるようになってきました。昨年度の私立大学歯学部の平均倍率は1.98倍で、うち9校が定員割れとなっています。国家試験の合格率が厳しくなった結果、私立大学全体で41.2%の学生が6年生で留年・休学しており、歯学部の不人気の要因になっていると考えられます。
超高齢化社会の進展により訪問歯科診療や高齢者向けの治療の需要が増加してきます。さらに、むし歯罹患率の低下に伴い、予防ケアやホワイトニング、歯科矯正などの分野が注目され、従来の治療中心の歯科医療から予防へのシフトも進んでいます。しかし、歯科医師の高齢化も進んでおり後継者不足が懸念されています。歯科医療提供が難しくなる可能性があります。歯科医師を魅力ある職業とするためにも大学、歯科医師会、そして同窓会が一丸となり施策に提言を行うことが重要であると考えます。
府歯におきましては今年度は大阪・関西万博への参画、そして10月には創立100周年記念式典が予定されています。今後ともますますのご協力をお願い申し上げ挨拶とさせていただきます。
朝日大学歯学部大阪府同窓会
会長 木田 眞敏